蓮華亭へようこそ



娘がお世話になっている“発達支援センター”の担当職員さんに相談。

本来ならば、学校関連はノータッチなのですが、

今回ばかりは尋常でない事を考慮して、

支援員さんが、市役所に直談判して下り、

『学校長から、特別事由の記載された書類を頂ければ……特別許可を下ろします』

という、返答を貰って下さいました。

ただ、これには条件がありまして、

娘の状態(知的障害の軽度)を考慮して、年度末まで。

という、何ともブラックに限りなく近いグレーの返答。


現状では2学期いっぱいで転校。

学校長に書類を書いて貰っても年度末。

要するに、どう頑張っても来年度からは、転校という

とても厳しい現状を突きつけられた訳です。


同じ市内で、特別許可が下りている軽度の児童がいるのにもかかわらず、

何故、娘には許可が下りないのか、解りません。

その点に於いても、説明は一切なく。

市に対しても、学校側に対しても

不信感は募るばかりで……。



そんな中、

前ページでもお話した、相手とご両親に相談すると。


『じゃあ、年度替わりでこっちに来ればいいよ』

という話になりまして……。


勿論、実父にも話しましたよ。

ちょうど入退院を繰り返してた時期でもあったので、

色々込み入った話を何度もして……。



で、私が取った行動は…………?




まずは、転校を視野に入れ引越しするとして、

娘を受け入れてくれる環境が整っているか?という事。


すぐさま、転校先の状況を把握する為、

市役所を通して、教育委員会へ連絡。

娘の状態を説明し、小学校の受け入れが可能かどうか。

サポート支援にどのようなモノがあるのか。

自治体によって大分違うので、ここはしっかりとチェック。


すると、転居予定先の学区の学校には

特別支援学級が存在し、娘と同じ歳の女の子がいると言う。

田舎という事もあり、先生方も大らかで対応も優しく。

娘を同行させての見学希望も快諾して下さいました。


そして、初めて学校見学をしたのが、9月末。

運動会も終わり、学校側も対応し易い時期というのも考慮して。



初回の見学の感想は、

校舎は綺麗で新しく、広々していて

児童も明るくフレンドリーで、

先生方もとても良い印象を受けました。


同じ歳の女の子は、ダウン症で人懐っこい子。

娘は自閉症でコミュニケーションが苦手。

タイプでは正反対の感じですが、

パニックになるような感じではなく、

一定の距離を取り、静観しているように思いました。



その後は月に1度程度お邪魔させて頂き、

一緒に授業を受けたり、行事に参加させて頂いたり。



学校側からは、『是非、いらして下さい』との事。

校長、教頭、特学の担任の先生方は、

すっかり娘が転校して来るものだと思っているようで。


というのも、

その地区の特別支援学級の先生の割り振りは、

児童3人までは、担任1名。

児童が4人になると、1名増えて、計2名になるという。

現在在籍の児童が2名。

来年度入学予定の児童(新1年生)が1名。

現況だと担任1人で3人を受け持つという状況ですが、

娘が転校すると、職員が1人増え、助成金も増えると言う。

学校としても願ったり叶ったりの状況のようで。



その事も熟慮した上で、年度替わりに転居する事を決意致しました。




………続く



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