蓮華亭へようこそ


彼が食べ始めたのを確認して、やっと一息。

ふと、時計に視線を向けると……。


「ぬっあ゛ぁぁー!!」

「ブォッ……」


突然の私の発狂で驚いた彼は

口の中のモノを噴き零してしまった。


―――――しかも、物凄い形相で。


「もももも、もっ、申し訳ありませんッ!!」


全身全霊の魂を込めても謝り足りない。

だって、だって、

今の時刻、10時半を回っている!!


私はてっきり、

7時過ぎくらいかと思ってたのに。


何で起こしてくれなかったの?

……って、起こしてくれたんだった。

でも、何で、何も言わないんだろう?


ナプキンで口元を拭いている彼に


「あ、あの……」

「んッ?!」


―――――レーザービーム発令中。


「何故、怒らないのですか?」

「ぁあ゛ッ?!」


―――――訂正、既に怒ってます。


「朝食と言うより、ブランチですよね?……これ」

「そうとも言うな」

「私の事、お叱りにならないのですか?」

「叱って欲しいのか?」

「あっ、いや、そういう訳では……」

「フッ」


自分で言っておきながら後悔する。

だって、自ら首を差し出す形になってない?


これはもしや、ミサイル発射5秒前ってヤツ?

そうなの? そうなの??

そうなんでしょう?!


正面のお方から、

とてつもなく嫌~~な視線を感じ

無意識に顔が引き攣り始めた


―――――――その時!!




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