蓮華亭へようこそ
≪御礼SS≫ 『男の視線と甘いキス』
クローゼットからハンガーに掛けられたニットワンピを手に取る妻に、
「キャッ!!////」
「いい眺め」
「ふぇっ?/////」
「杏花のうなじが俺を呼んでる」
「ッ?!/////」
軽くアップされた艶髪。
セーターの襟元からスッと伸びる白いうなじ。
俺は吸い寄せられるように彼女を背後から抱きしめた。
そんな俺をほんの少し首を傾げて見上げる杏花。
「要はどっちがいい?グレー?それとも黒?」
「ん~?」
杏花は手にしたニットワンピを俺に見せ、
どちらがいいのか尋ねて来る。
これから、斗賀を連れ3人で買い物に行く為の身支度。
杏花はいつだって、俺の好みに合わせようと必死だ。
俺は杏花さえ傍にいてくれたら、
何を着てようが気にならないというのに……。
「斗賀の服が黒いからグレーにしようかな?ねぇ、どう思う?」
「ん~?」
杏花は俺の腕の中でクルリと回転し、
愛くるしい美顔で俺を見上げる。
そんな彼女に……―――………。