君が好き
堕ちる



目黒さんが車で走り去って行くのを見つめながらさっきの会話を思い出していると




「なかなか面白い営業さんね。しかもイケメン。」



背後から声がしたので振り向くと彩希さんが腕組みしながら立っていた。




『見てたんですか。』



「なかなか来ないから。ごめんね。」




『いえ。』


「でもさすがイケメン揃いのベイリイ製薬よね~」


『そーなんですか…。』


「遊び人も多いらしいけど陽和は心配無さそうね。」






一体…なんの心配なんですかねー




て言うかお腹すいたし…




あの目黒のせいでお昼休みがあと15分しかないんですけど。







憎しみを込めながらさっきもらった名刺に目を落とした。





ベイリイ製薬

主任 目黒 和希









主任か…



――――――若いのに立派だなと思いまして…







『……よく言うよ。』




「え???」





小さく呟いた声が聞こえてしまったよーだ。






『なんでもないです。ご飯食べますか。』








ようやくご飯がたべられる。





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