兄と弟と私の三角関係~イケメン兄弟に挟まれて~



そしてドアの前。


微かに見覚えのある筆跡


《安田 大輔》



……と、ドアの表札に黒マジックで書かれたあの人の名前。





もし今日、あの人が留守じゃなくて在宅していて私と再会したら、10年ぶりだ





私は、卓とお兄ちゃんに見守られながらインターホンのボタンを押した





【はい。どちら様ですか?】




懐かしい声に、私は自分が泣いてるのも気付かずに即答した



『沙奈です……』




強い勢いでインターホンが切れた音がして、すぐに玄関が開いた。



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