あの頃の君へ〜eternal love〜

第１章…プロポーズ

『いらっしゃいませ！！！』



今夜も威勢のいい男達の声が
煌びやかな店内へ大きく響き渡る。



『ご指名は”蓮”でよろしいですか？』



『ええ。』



高級な毛皮のコートを身にまとい



ピンヒールをカツカツと
鳴らしてやって来たのは‥



誰もが知る40代のヤリ手女社長だ。



『どうぞ、こちらへ』



店長の飛龍(ひりゅう)さんが
彼女を奥のVIP席へと案内する。



ここは横浜でも指折りの人気を誇る
有名ホストクラブ"eternal"。



＿＿＿＿開店１時間前。



店の入口は女性客で溢れ返り
連日、大行列を作る。



不況、不況と世間は嘆くが…



ここには今でもバブル期の名残がある。



そんなeternalでNo.1を
しょって立つのがこの俺、



＂西園寺 蓮(さいおんじ れん)＂だ。