あの頃の君へ〜eternal love〜
『美希…』



『手繋ごっか。』



『…うん。』



しばらく離れていただけで



彼女の手はまるで
氷のように冷えきっていた。



『あともうちょっとだね。』



『ああ。』



駅から5分ほど歩いた場所にある
10階建ての白いマンション。



その7階の角部屋が俺の部屋だ。



『はい、到着〜。』



俺は素早くドアを開けると
美希を真っ先に部屋へ通した。



『へっくしゅん!!!』



『おい、大丈夫か?』



『春っていっても
まだ夜は冷えるな。』



『うん…』



美希が両腕をクロスして
小刻みに震えていた。
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