あの頃の君へ〜eternal love〜
今でも忘れる事はない。



何度ここから
逃げ出そうとしたか。



それでも諦めなかったのは、



本当にこの仕事を愛している
自分に巡り会えたからだ。



『なるほどな。』



『全てお見通し
だったってワケか…』



レオが重い腰を上げて
ゆっくりと天を仰いだ。



『蓮…』



『どんなに言い訳をしても
俺が負けた事に変わりはない。』



『世話になったな。』



彼はすぐに背を向けて
そのまま店を出て行った。



すると、



まるで嵐が過ぎ去ったように



柔らかく暖かい風が
俺たちを包み込んでいた。



もしも、



この結末を予想出来たのなら
俺はもっと彼を知りたかった。



こんな形で別れを迎えた事に
俺はまた1つ悲しみを覚えた。
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