あの頃の君へ〜eternal love〜
"ウソだろ‥"



オレは目の前が真っ白になり
開いた口が塞がらなかった。



額の汗はどんどん冷たくなり
ボールを握る右腕は小刻みに震えていた。



"もうこれ以上は絶対に譲れない。"



絶対絶命の窮地に立たされたオレは
全ての力を振り絞り渾身の1球を放った。



しかし、



そんなオレたちに下された結果は



サヨナラホームランという
最悪の結末だった。



あの時、



オレはガックリと肩を落として



両膝を地面についたまま
しばらく立ち上がる事が出来なかった。



"ああ‥夏が終わった。"



そう思った瞬間全身からすっと
気力が抜けていくのが分かった。



自分でも理解してる。



オレは肝心な時に限って
本領を発揮出来ないダメな男だって‥
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