あの頃の君へ〜eternal love〜
『ん?なんだろう‥?』



首を傾げながら
通話ボタンを押すと



受話器の向こう側から
聞き慣れた低い声が届いた。



『蓮、俺だ。飛龍だ。』



『えっ!飛龍さん‥!?』



『どうも!お久しぶりです。』



俺は椅子から立ち上がると
急ぎ足でホテルのロビーへ向かい、



フロントの前にいくつも並んだ
茶色のソファに腰を下ろした。



尊敬する恩師の声は
相変わらず優しかった。



『蓮、元気にしてるか?』



『ええ。おかげさまで。』



『大変な事も多いですけど
毎日とても充実してますよ。』



『そうか。それは良かった。』



俺の脳裏に電話越しで微笑む
飛龍さんの顔が浮かんだ。
< 749 / 1,028 >

この作品をシェア

pagetop