あの頃の君へ〜eternal love〜
あれからまた時は経ち



季節は秋から冬へ
移り変わろうとしていた。



この時期になると思い出すのは
いつだって美希の事ばかりだ。



とっくに忘れたはずなのに‥



黄色の枯れ葉たちが
冷たい秋風に吹かれていると



俺の頭の中は嫌でも
美希一色に染まってしまう。



あの笑顔が蘇るたびに
胸が苦しくなって



時々どうしようもなく
彼女に会いたくなる。



そんな事を思いながら



俺は今日も帰宅途中の人々の波に
逆らうように駅前の広場を通過した。



"あっ‥!"



ふと視界に入ったバス乗り場で
俺はまた彼女を思い出した。
< 853 / 1,028 >

この作品をシェア

pagetop