あの頃の君へ〜eternal love〜
目に飛び込んで来たのは



向こう側から歩いて来る
仲睦まじいカップル。



その左側にいるのは
間違いなく美希だった。



かつて愛した人が今
俺の知らない男と腕を組み



これ以上ない笑顔で笑っている。



今の彼女は服装も髪型も大人びていて
俺の知らない女性に変わっていた。



『美希…』



『戻って来てたのか…?』



人々の声と雑音に紛れて消えた
ただの独り言。



その声は彼女の耳に届く事はなかった。



美希はこちらに気がつく様子もなく
俺の横をすっと通り過ぎていった。



辺りを見渡すと



色とりどりのイルミネーションが
今年も街中を華やかに照らしている。



その光の全てがまるで
2人の幸せを祝福しているようで



俺の胸はまた締めつけられるように
痛く苦しく切なかった。
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