あの頃の君へ〜eternal love〜
『‥で、そのお話というのは‥?』



『まぁ座ってくれ。』



机を背に高級な黒革の椅子に
どっぷりと腰を下ろす乙黒さん。



そこに向かい合わせで座ると
何だか胸がそわそわした。



『単刀直入に聞きたいんだが‥
君は東京へ行く気はあるか‥?』



『えっ!?東京へ‥?』



『ああ。』



『東京と言っても都心部ではない。』



『知っての通り当グループはもともと
首都圏を中心に展開してきたのだが‥』



『競争の激しい都心で長く
生き残れる店はごくわずかだ。』



『そこで我々が目をつけたのが
23区外と呼ばれる多摩地区。』



『これからはその多摩地区を中心に
さらなる拡大を目指そうと考えている。』



『その第1号店となるのが八王子だ。』



『新店舗では営業時間も朝と夜の2部制を
導入しオープンは再来月を予定している。』
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