星屑の涙
「俺さ、多分気になってたんだと思う。
どんな人なのかな、どんな風に笑うのかなって、
考えてみればコンビニでレジしてる時とか声かけるチャンスなんていっぱいあったのにさ、
いきなりじゃ引かれるかなぁとかそんなことばっか考えて、結局何もできないまま終わったからさ」
“…俺の人生がさ”
言葉には出さなかったけれど、彼の目はそう言っているようだった。
これから何かがはじまる…
そんな風に思っていたのは私ひとりの思い上がりだった。
もっと早くに出会っていれば…
もっと早くに何かが始まっていれば、未来は変わっていたかもしれないのに。
そんなこと考えても、仕方ないとわかっているけれど…
そう思わずにはいられなかった。
…なぜ、あなたが死ななければいけないのだ。
…どうして、今になって私の目の前に現れたのだ。
未来なんてないのに。
私たちの人生が、この先交差することなんて二度とないのに…。
そんなことばかり考えてしまう。