BEAST POLICE
「んな事ぁ関係ねぇんだよっっ!」

鬼首が吠える。

「組員(こ)が体張って戦ってんのに、組長(おや)が尻尾巻いて逃げられるかって言ってんだよ!てめぇ、俺に極道の恥晒しって笑われろってぇのかっ?おぉっ?」

「何も逃げろなんて言ってねぇ」

激昂する鬼首に、巽は冷静だった。

「戦略的撤退って奴だ。組員達が体張って戦ってんのは、組長であるてめぇを生かす為なんじゃねぇのか?」

「……!」

巽の言葉に目を見開く鬼首。

刑事でありながら、巽は極道の心理をよく理解していた。

そうしている間に。

「いたぞ!」

「組長の鬼首だ!」

京阪神の構成員達が、次々と巽と鬼首を殺そうと集まって来る。

「ついて来い」

巽は走り出した。

「いい隠れ場所を知っている」

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