BEAST POLICE
日の光は差し込むものの、どこか薄暗い部屋。

光の中で、埃が舞い上がっているのが見て取れた。

あまり掃除は行き届いていないようだ。

ドアを開けるとまず狭い廊下。

床に雑誌やら新聞やらを括ったものが無造作に置いてある。

ゴミの日に出し忘れたのだろうか。

その廊下を進むと数段程度の階段があり、それを下りると薄汚れたフローリングの床。

壁に沿って本棚が幾つか。

部屋の中央にはソファと小さなテーブルが置いてある。

恐らく来客用だろう。

その奥、大きな窓際に机とキャスター付きの椅子。

その椅子に、ヨレヨレのダークのスーツを着た黒髪短髪、無精髭の男…蓮杖 耕介(れんじょう こうすけ)は座っていた。

雛罌粟が人数分のお茶を出す中。

「いきなり来るなよな、巽…俺ぁお前の溜まり場の為に探偵事務所やってんじゃねぇんだぜ?」

「そう言うなよ、警察時代のよしみじゃねぇか」

巽はドッカとソファに座り。

「コイツは私立探偵の蓮杖 耕介だ…元SAT(特殊急襲部隊)でな。その頃からよくつるんでた」

そう言って鬼首に説明した。

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