BEAST POLICE
ホテルのエレベーターに乗り、最上階に向かうボタンを押す。

音もなく、加速感も感じさせず、静かに上昇していくエレベーター。

数十秒でエレベーターは、環をホテルの最上階に運ぶ。

街の夜景を一望できる、フロア全体を貸し切ったペントハウス。

ドアをノックすると。

「どうぞ」

中から男性の声が聞こえた。

ドアを僅かに開ける。

「…よく来たね」

そこでは、中年男性がバスローブのまま、窓から夜景を眺めていた。

首には下品なほど光り輝くゴールドのネックレス。

バスローブを着ているという事はシャワーを浴びたのだろうに、顔は脂ぎっていた。

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