BEAST POLICE
「……」

ファイルを手に、立ち上がる巽。

そのサングラスの奥の目は、既に刑事としてのものに変わっている。

歩いて食堂を出ていく彼の背中に。

「そういえば」

刑事部長は呟いた。

「この間のストーカー事件の時の被害者のお嬢さん…グラビアアイドルの子だったか…お前に挨拶に来ていたぞ。是非ともお礼を言いたいってな」

「そりゃあ有り難ぇ…今度また来たら、デートに誘うから電話番号聞いといて下さい。いいホテル予約しときますから」

「おいおい巽、相手は未成年だぞ?」

「一緒に泊まって同じベッドで寝るだけなら問題ないでしょう」

片手を軽く上げて、巽は食堂から出ていく。

「ま…寝ている間に何かの間違いで、体に触っちまったりはするかもしれませんがね」

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