BEAST POLICE
やがて閉店の時間。

「それじゃあ…お先に失礼します」

「おぅ、お疲れさーん。明日も頼むね」

店主に丁寧に頭を下げ、男は酒店を後にする。

仕事が終わった後も特に寄り道をする事もなく、真っ直ぐにアパートへの帰路へと着く。

夜間とはいえ、まだ多くのサラリーマンやホスト、客引きが屯する歌舞伎町。

一種独特の雰囲気が漂う。

男も慣れ親しんだ空気。

以前は彼も仲間を引き連れて、この空気の中で夜通し飲み歩いていたものだ。

だが、今はかつてと違う。

もう、以前とは環境が変わったのだ。

派手な飲み歩きは出来ない。

< 274 / 490 >

この作品をシェア

pagetop