BEAST POLICE
刑務所の正門から、奥へと進んでいく二人。

灰色の塀に囲まれた所内は、何とも言えぬ威圧感と圧迫感を感じる。

こんな中で、場合によっては数十年、下手をすれば無期という時間を過ごすのだ。

如何に己の犯した犯罪を償う為とはいえ、絶望感に苛まれる事だろう。

中には脱獄を企てる者がいるというのも、少なからず理解できる。

自由と外の世界を渇望し、この閉鎖空間から逃げ出したいと思うのも無理はなかろう。

しかし、現在のこの関東刑務所は、罪を償う為の空間ではない。

壁や床に飛び散った血痕。

血塗れになって絶命した刑務官や警察官の遺体。

凶悪犯の解き放たれた、無法地帯である。

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