BEAST POLICE
駆け寄る巽達。

グラウンドの真ん中辺り、刑務官達の遺体に紛れて、血塗れになった囚人服姿の猪瀬が倒れていたのだ。

「猪瀬、おい、猪瀬なのか?」

抱き起こし、声をかける巽。

「…確か警察の…それに…鬼首もおるやないか…」

荒い呼吸のまま、猪瀬は言う。

殴打された上、腹部には深い刺し傷もある。

出血が酷い。

「何でオドレらが…ここに…?」

「そんな事はいい」

猪瀬の傷口を押さえながら、鬼首は言った。

「一体誰にやられた?この刑務所の暴動は、お前が首謀者じゃなかったのか?」

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