BEAST POLICE
「ちゃう…」

ハァハァと呼吸しながら、猪瀬は鬼首を見た。

「俺は…この刑務所に収監された事で、受刑者の『精神的支柱』にされただけや…俺自身は…暴動になった時も…警察との交渉で事態の収拾を図るべきやと受刑者に説得したんや…」

「だったら何でこんな事に…」

鬼首の問いかけに。

「…話し合いで解決する事を…不服と思てる連中がおったんや…」

傷の痛みに強く目を閉じ、猪瀬は言った。

「この刑務所には…根津 洋三が収監されとる…」

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