BEAST POLICE
そんな彼に。

「!?」

受刑者達は一斉に頭を下げた。

「ここにいる受刑者の殆どは、関西や関東、九州、北海道…日本全国から収監された極道ばかりです。極道じゃなくても、同じ裏社会に生きる者として、『歌舞伎町に襲来する天災』とまで言われた鬼首さんの武勇伝は、幾度も耳にしていました」

「……」

握り締めていた拳を解き、鬼首は受刑者達を見る。

「てめぇら…俺を襲う気だったんじゃねぇのか」

鬼首の言葉に、受刑者の一人が顔を上げた。

「俺達は、猪瀬さんや藤原さんといった、極道のカリスマが先頭に立っていたからこそ一斉蜂起したんです。同じ極道が率いてくれるのならと、この刑務所の暴動に参加した…しかし真相は、只のイカレた人殺しが裏で絵ぇ描いてただけ…しかもあの根津の野郎に裏切られて、猪瀬さんも藤原さんも殺されちまった…」

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