BEAST POLICE
一人だけではない。

その場にいる数百人の受刑者全てが、同じ意見だった。

鬼首に、一度捨てた命を預けようとしている。

同じ極道である鬼首が命じるならば、この刑務所での暴動の果てに、命を落としてしまってもいい。

「……」

鬼首が受刑者達を見渡す。

どの眼も本物だ。

本物の覚悟を以って、鬼首にこの頼みをしている。

そして、本物の覚悟を以って差しのべられた手を振り払う事は、鬼首にはできない。

「…わかった…てめぇらの命、この俺が預かる」

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