BEAST POLICE
鬼首と巽達を乗せたまま、ベンツはその新宿東宝ビル建設現場へと到着した。

車を降りた鬼首は、無言のままその建設現場の最上階へと上がっていく。

まだ工事の途中、内装すら完成していない、コンクリート打ちっぱなしの無骨な建物。

その屋上。

130メートルの高さから、歌舞伎町が一望できる。

「この街の縄張り争いで、随分抗争も繰り返したし、てめぇら警察とも血みどろの殺し合い繰り返した…明けても暮れても殴り合い、殺し合い…」

煙草に火を点け、紫煙をくゆらせた鬼首は、それを階下に吐き捨てて。

「もうそろそろ、ケリつけねぇか?」

着ていた物を脱ぎ捨て、上半身裸になった。

「そう来ると思ったぜ」

巽は拳を鳴らす。

「いいだろう」

倉本もサングラスを外した。

「どちらの相手が望みだ?聞いてやる」

言い放った倉本、そして巽に対し。

「!!」

鬼首は拳を一発ずつ叩き込む!

「獣の相手なんざまとめてで充分だ。かかって来い」

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