BEAST POLICE
「ぬかせこの野郎!」

巽が怒号と共に突進した!

振りかぶっての右ストレート!

だが鬼首はこれを片手で払い落とし、反撃のアッパーカット!

顎が跳ね上がって無防備になった巽のボディに、鬼首は拳を何発も叩き付ける!

「巽!」

助けに入る倉本だったが。

「うぐっ!」

鬼首は後ろ蹴りで倉本の腹を蹴り上げる!

ようやく塞がったばかりの腹の刺傷痕に打撃を受け、動きを止めてしまう倉本。

そこへ鬼首の膝蹴り!

続けて振り下ろしの肘打ち!

倉本は床へと叩き付けられる!

「どうした」

巽と倉本に対し、鬼首は言う。

「警察きっての野獣二匹が、揃いも揃って無様だな」

「く…」

巽は歯噛みする。

そんな事はない。

決して巽達二人が弱い訳ではない。

しかし、邂逅から数ヶ月。

数多の事件や抗争を潜り抜け、いまや日本最大の極道組織の頂点に君臨する鬼首は、その重圧と責任を受け止められるだけの器を持つに至り、また、かつて以上の実力を兼ね備えていた。

『歌舞伎町に襲来する天災』の異名通りに。

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