BEAST POLICE
二人がかり相手でも、このしぶとさ。

日本の頂点に立つ極道とは、こういうものなのか。

「負けられねぇ…」

血を滴らせながら、鬼首は言う。

「背負ってるもんが違うんだ…てめぇら警察とはよ…俺ぁ4万人の組員の命(タマ)ぁ預かってんだ…」

握り締めた拳が、ミリミリと音を立てた。

「覚悟の程が違うんだよっっっっっ!」

トドメとばかりに襲い掛かる鬼首。

しかし。

「ぬかせ…」

「自分達にも背負っているものがある…」

巽と倉本は、よろめきながらも立ち上がる。

「貴様が4万の組員を背負っているなら…」

倉本が拳を振りかぶる。

「俺達は1億2700万の国民の命預かってんだっっっっ!」

巽が脚を振り上げる!

二人の拳と蹴りは、カウンターで鬼首に炸裂!

「がはっっっっっっ!」

吹っ飛ばされた鬼首は、落下防止用のフェンスに叩き付けられ、ようやくそのまま崩れるように倒れた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ…!」

同時に倒れる巽と倉本。

最早鬼首に、手錠をかける余力すらない。

呼吸を荒げ、大の字になって、天を仰ぐ。

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