BEAST POLICE
日付は変わり、しばらく膠着状態が続いていたが深夜2時頃、人質の客(76歳男性)がトイレに行かせてくれと申し出たところ犯人は年齢を聞くと解放。

数時間後、ラジオの差し入れが遅い事に腹を立てた犯人は、ロッカーに向けて発砲。

跳弾が当たり客と男子行員の二人が負傷。

午前8時前に人質の女性が解放。

10時半頃、犯人の母親と亡き父の弟が捜査本部に到着し、説得を始めるも犯人は電話を切ってしまい失敗に終わる。

母親の説得が終了すると、犯人は全員に服を着る事を許可して、昼までに二人の女性客を解放した。

その後、差し入れてもらった朝刊を女子行員に朗読させ、銀行中の800万円の現金を用意させると、犯人は自身の借金の支払い先を書いたメモを男子行員に渡し、借金を返済してくるよう命じる。

午後1時半、弁当の差し入れと引き換えに人質の24歳の女性を解放。

午後3時前、犯人の借金返済の為に男子行員がハイヤーで出発し(同日午後10時頃銀行に帰る)、覆面パトカーが追跡。

ハイヤーに乗った男性が人質の銀行員らしき情報が報道陣に流れるも、この借金返済についてマスコミが知ったのは事件解決後であった。

尚、この借金返済は法律上無効であり、借金返済の金は警察によって回収され銀行に戻された。

午後3時半、栄養ドリンクの差し入れの後に人質の19歳の女性が解放。

しばらくして行員の申し出によって、三人の男子行員の負傷者が解放される。

三人は病院に救急車で搬送。

それから一時間後の午後5時前、最後の客の人質(25歳の女性)解放。

犯人はこの人質が最もお気に入りだったらしく、この人質をKちゃんと愛称で呼ぶほどだった。

午後6時、犯人に気づかれずに隠れていた客(合計5人)が、応接室、貸し金庫室、カウンターから捜査員の誘導により無事脱出され、犯人は5名の存在も脱出も知らなかった。

この際民間の錠前技術者が捜査本部の要請により技術協力し、通用口等の鍵を解除、脱出支援を行った。

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