あたし物語。
「…菜摘、付き合おう」
菜摘のことを考えて言ったのはわかる。
カオルは誰よりも仲間を大切にする人だから。
…でも。
そんな言葉聞きたくなかった。
あたし以外にむける微笑みなんてみたくなかった。
もう耐えられない。
『ごめん!そろそろ帰んなきゃ親がヤバい!!』
うちの親は超がつくほどの過保護。
…絶対うるさい。
「送るよ」
『彼女持ちが何言ってんのぉ~?
大丈夫だし!!』
最後まで優しいカオル。
あたしは強がることしかできなかった。