転校先は男子校?!--イケメンvs最強双子--



鈴SIDE






バシッ……!!




賢「クッ……!!大丈夫…大丈夫だから……!!」






鈴「はぇ……?」






何が…




何が大丈夫なの?




貴方は何もわかってない




私達の悲しみなんて




わかりっこない




私にはお姉ちゃんが居ればいい




なのに何が大丈夫?





賢「大丈夫…大丈夫だから…鈴…目を覚ませ」





賢が私の拳を両手で捕らえながら言う




恐い…恐い…恐いよ……!!




お兄ちゃん…!!




いなくならないで…!!






鈴「お兄ちゃん……!!」





蘭「ヤバイ!!」




蘭「賢逃げろ!!」






ごめんお姉ちゃん




ちょっと限界かな…





ドカッ


バキッ


ドゴォ


バンッ





腹を殴って



回し蹴りして



また腹を殴って



床に押し倒して





鈴「お前に…!!何がわかる。」





賢は抵抗もせず




ただ床に背中をつけ、襟元を持たれていた





賢「……何もわからないさ」




鈴「へ……?」




賢「何もわからないから聞いてるんじゃないか」




賢「本当は誰かに相談したい。頼りたいって思ってるんだろ?」




鈴「ち…違う…違っ」




賢「違わない!!」




賢「君は前の僕にそっくりだ…」




鈴「ぇ……?」




賢「大丈夫…大丈夫だから…」






なんでだろう…



目が熱くなって…苦しくて…



胸が張り裂けそう



目から涙が出てくる



あぁ…何年ぶりだろう…



今まで我慢してたぶん全部かな?



『大丈夫』って言葉が心に染みる





賢「大丈夫…大丈夫…」





賢が上半身を持ち上げ、自分の額を私の額にくっつけた





賢「別に今話さなくったっていい。鈴が話してくれるまで待つ。」




鈴「うっ……ふあ………ひっ…く……うぅ……ぁ…」





どうしよう…




涙が止まらない





賢「大丈夫だ。」





大丈夫と言われながら、私は賢の胸を借りた




シトラスの匂いが鼻をくすぐる




ちょっと懐かしい匂い




思い出したらまた涙が出てきた





私は賢を見上げて言った




鈴「賢………ありがとうっ!!……ニコッ」




賢「ーーーッ///別に……大丈夫…」





彼は一度顔を反らして、下を向いて『大丈夫』と呟いた









ふとまわりをみた




お姉ちゃんたちはもう屋上には居なかった




きっと気をきかせてくれたんだ




ありがとうお姉ちゃん




少し頑張ってみるよ

















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