【リメイク前】大きな桜の木の下で【完】
そういうわけで二年生に進級した私――麻倉千鶴(あさくらちづる)は意を決して思いを寄せている彼に告白することにしたのである。
相手は一年生の時から同じクラスの寺島(てらしま)。
陸上部に所属していて、ふと見かけた練習光景で彼がトラックを駆け抜ける姿に心を惹かれたのが半年前。
意識し始めてから話しているうちにもっと好きになっていって、ただ告白する勇気が無い臆病な私は、バレンタインも下駄箱を通して名無しでチョコを渡す始末。
けれどいい加減気付いた。いつまでも消極的でいたら、周りで幸せそうにしているみんなに置いてけぼりを食らってしまう。
若干焦っているのもあり、決意してから一瞬間後に私は告白の時を迎えた。
昼休みに一人でここに来て予行練習もした。授業中にしつこいほどイメージトレーニングもした。
何より長年伝わってきたジンクスなのだから大丈夫だという安心感とも言える自信があった。
しかし目の前の彼はばつの悪そうな顔をして言ったのだ。
相手は一年生の時から同じクラスの寺島(てらしま)。
陸上部に所属していて、ふと見かけた練習光景で彼がトラックを駆け抜ける姿に心を惹かれたのが半年前。
意識し始めてから話しているうちにもっと好きになっていって、ただ告白する勇気が無い臆病な私は、バレンタインも下駄箱を通して名無しでチョコを渡す始末。
けれどいい加減気付いた。いつまでも消極的でいたら、周りで幸せそうにしているみんなに置いてけぼりを食らってしまう。
若干焦っているのもあり、決意してから一瞬間後に私は告白の時を迎えた。
昼休みに一人でここに来て予行練習もした。授業中にしつこいほどイメージトレーニングもした。
何より長年伝わってきたジンクスなのだから大丈夫だという安心感とも言える自信があった。
しかし目の前の彼はばつの悪そうな顔をして言ったのだ。