【リメイク前】大きな桜の木の下で【完】
困惑する私の隣で、友人らが突然ハイテンションになりはじめた。
「あれ去年の体育祭のリレーでごぼう抜きした寺島くんでしょ」
「ちづるん覚えてないの!?彼ちょっとした有名人だよ」
「……記憶にあるようなないような」
「絵描き馬鹿はこれだから。どうすんの、付き合うの?あいつ顔はそんなに悪くないと思うよ」
などと声のボリュームさえ小さめにしていたが中々盛り上がっている模様。
それにしても一目惚れ、か。私みたいなパッとしない女のどこに心を奪われる要素があるのか気になるところではあるが、生憎私は今彼氏とか作るつもりはないわけで、このまま大人しくついていけば彼を傷付けることになるだけだろう。
所詮はジンクス、ゲームのキャラが使えたりするマインドコントロール的な超現象でも起こらない限り、私は彼をフってしまうことになるのだから。
しかし告白をさせないのも酷い話だという考え方もできる。
傷は浅い方が良いに決まってるけど、相手は告白することで吹っ切れられるのかもしれないし、ここは黙って彼に従うべきか。
いやそもそも本当にあの桜の木の下へのお誘いなのか。
「あれ去年の体育祭のリレーでごぼう抜きした寺島くんでしょ」
「ちづるん覚えてないの!?彼ちょっとした有名人だよ」
「……記憶にあるようなないような」
「絵描き馬鹿はこれだから。どうすんの、付き合うの?あいつ顔はそんなに悪くないと思うよ」
などと声のボリュームさえ小さめにしていたが中々盛り上がっている模様。
それにしても一目惚れ、か。私みたいなパッとしない女のどこに心を奪われる要素があるのか気になるところではあるが、生憎私は今彼氏とか作るつもりはないわけで、このまま大人しくついていけば彼を傷付けることになるだけだろう。
所詮はジンクス、ゲームのキャラが使えたりするマインドコントロール的な超現象でも起こらない限り、私は彼をフってしまうことになるのだから。
しかし告白をさせないのも酷い話だという考え方もできる。
傷は浅い方が良いに決まってるけど、相手は告白することで吹っ切れられるのかもしれないし、ここは黙って彼に従うべきか。
いやそもそも本当にあの桜の木の下へのお誘いなのか。