【リメイク前】大きな桜の木の下で【完】
「……千鶴も俺のことなんて覚えてないよな」
寂しげに笑う彼には申し訳ないがこれっぽっちも記憶に無い。
なんで私の名前も知ってるんだよ、しかも下の名前。
幽霊とお友達になった覚えは無いし、そもそも私別に霊感なんて無いはずなのに。
通学路にある心霊現象が起きると噂されてるトンネルでも本物に遭遇したことなんて無かったから、こんな形で幽霊とコンタクトを交わすことになるなんて思いもしていなかった。
何度も頷く私を見て「そうだよな、覚えてるわけないよな……」とまたなんとも言えない笑顔を浮かべる彼。
「それでも千鶴が描いてくれた夜桜は、永遠に俺の宝物だから」
しかし彼のそのセリフを聞いた時、私の中で何かが呼び起こされた。
間違いなく面識の無いはずの彼と、なぜか自転車を二人乗りしたりゲームセンターで遊んでいたり、笑い合ってお弁当を食べていたり、夜桜の下で私が彼を勇気付けている映像が立て続けて脳内に流れ込んでくる。
寂しげに笑う彼には申し訳ないがこれっぽっちも記憶に無い。
なんで私の名前も知ってるんだよ、しかも下の名前。
幽霊とお友達になった覚えは無いし、そもそも私別に霊感なんて無いはずなのに。
通学路にある心霊現象が起きると噂されてるトンネルでも本物に遭遇したことなんて無かったから、こんな形で幽霊とコンタクトを交わすことになるなんて思いもしていなかった。
何度も頷く私を見て「そうだよな、覚えてるわけないよな……」とまたなんとも言えない笑顔を浮かべる彼。
「それでも千鶴が描いてくれた夜桜は、永遠に俺の宝物だから」
しかし彼のそのセリフを聞いた時、私の中で何かが呼び起こされた。
間違いなく面識の無いはずの彼と、なぜか自転車を二人乗りしたりゲームセンターで遊んでいたり、笑い合ってお弁当を食べていたり、夜桜の下で私が彼を勇気付けている映像が立て続けて脳内に流れ込んでくる。