Winter Love
おまけ②
【森崎ver.】
俺たちが入学したころに咲いていた桜が、
見事に再現された。
何十本もの桜が、学校を囲んで咲き誇る。
俺たちも、
もうすぐ入学してくる新入生みたいに笑っていたのだろうか。
3年前は、高校生だー!って騒いでいたのに、
今日で卒業を迎えた。
時の早さに、圧倒されるばかりだ。
桜の木の下で、落ちる桜の花びらを眺めていると、
同じ部活だった、千早が駆けてきた。
「あれ、森崎。
柏木にちゃんと最後の挨拶できたのかよー?」
にやにやと筒で顔を少し隠しながら、俺をからかってくる。
「したよ。
てか、だいぶ前にフラれてますからー!
もううっさい!」
「まぁまぁ森崎。落ち着いて。
ほら、後輩。
森崎に用あるみたいだぞ?」
千早は遠くを指さした。
「あー、あの娘か…。」
少し前に告白してきてくれた、1年後輩の女の子。
少しブロンドがかった髪に、肩したまで伸ばした髪。
最初は、柏木みたいだからとかしか、考えてなかったたんだけど、
最近はよくわからない。
よく笑うところとか、たまに怒るところとか。
ころころ変わる彼女の表情が楽しくってしょうがない。
横にいて落ち着くんだ。
なんなく、なんとなくだけど。
「森崎も隅におけねーぜ。」
俺は彼女のもとへ歩いた。
第2ボタンに手をかけながら。
恋はまわる、まわる。
ぐるぐると。