恋のはじまりは曖昧で
ご飯も食べ終わろうかって頃、三浦さんが思い出したように「あっ、」と声を出す。
「そういえば今度、合コンしようかって話があるんだけど二人はどうする?」
合コンか……。
私の答えは決まっている。
「うーん、どうしようかな」
「に、西野さん、行くんですか?」
「えっ、」
いきなり浅村くんが会話に入ってきて、弥生さんは戸惑いの表情を見せる。
あ、そっか。
好きな人には合コンなんて行って欲しくないよね。
しかも、目の前でそんな誘いがあったら気になるに決まってる。
「あの、ちょっと聞きたいんですけど。西野さんは年下の男とかどう思いますか?」
「それってどういう……」
「恋愛対象に入りますかってことなんですけど」
「私は年下とか年上とか年齢は関係ないよ」
二人の会話を聞いていた三浦さんが私に耳打ちしてきた。
「ねぇ、もしかして浅村くんて弥生のこと好きなんじゃないの?」
「どうなんでしょう。でも、会話の内容的にそうかもしれないですね」
さっき、その話の途中で三浦さんたちに声を掛けられたからハッキリと答えは聞けず仕舞い。
だけど、間違いなく浅村くんは弥生さんのことが好きなんだ。
「だよね?浅村くんはさっきから私ら眼中にない勢いで話しているからそうだと思ったんだ。へぇ、そっか……」
目の前で話している浅村くんと弥生さんをまじまじと見る。