恋のはじまりは曖昧で
パーティーで
結局、次の日も熱は下がらないし、喉の痛さもあり二日も会社を休むことになった。
自己管理が出来ていない自分が情けないし、休んで他の人に迷惑をかけるのが嫌だった。
でも、体調が悪いのに出社して他の人に風邪をうつすのが一番最悪だと思った。
会社に電話した時、原田部長は『ちゃんと治ってから出社すること。またぶり返して休むことになったら、そっちの方が周りの迷惑になるから』と。
なんだか、思考をよまれている気がしてドキッとした。
私は、その言葉を聞いてしっかり療養しようと思い、病院に行き診察してもらった。
ようやく熱も下がり、喉の痛みも和らいだ木曜日に出社した。
休んでる間、どんな顔をして田中主任に会ったらいいんだろうとか脳内でシミュレーションしていた。
だけど、結局はなるようにしかならないので開き直ることにした。
緊張しながら営業のフロアに入り、すぐに田中主任の姿を探したけれど、席には座っていなかった。
次に見たのは、ホワイトボード。
営業の人の名前が書いてあり、その横には今日の予定を書き込むようになっている。
今日は直行となっていて、ドキドキしながら会社に来たのに、何か肩透かしを食らったような感じ。
取りあえず田中主任にお見舞いのお礼を言わないといけないと思っていたけど、朝から現場に行っていて、帰社予定は夕方みたいだ。
ホッとしたような、残念なような複雑な気持ちになった。