恋のはじまりは曖昧で

先週の月曜に田中主任がお見舞いに来てくれた日から私がひとり勝手に意識してしまい、ぎこちない感じになっている。
いや、普通に仕事の話はしているし、言いそびれたお礼だって次の日には言った。
本当はその時に海斗のことをきちんと説明したかった。

その訳は、前に『男を簡単に部屋に上げようとするな』と言われたことがあったからだ。
誰彼構わず、部屋に男の人を招いているとか思われていたら嫌だし。

だけど、仕事中にプライベートな話は出来なくて。
田中主任も特に気にしてなかったら説明するのも今さらだよな、と思ってみたり。

でも、身の潔白を主張したかったから、パーティーに参加したらそのチャンスがあるかもと考えた。
正直、そんな流れに話を持っていける自信なんてこれっぽっちもないけど。

あとは、パーティーでは何をしたらいいんだろうという不安。

そこで私が頼ったのは三浦さんたち、営業事務の先輩お姉さま方。
こういったパーティーに参加したことがあるのか聞いてみた。

そしたら、三浦さんは営業担当者と有名マジシャンのマジックショーを観に行ったことがあるみたいだった。
堅苦しくなかったし、意外に楽しかったと言っていた。
他の人も何かしらのイベントやパーティーなどに参加経験があるみたいだった。
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