恋のはじまりは曖昧で
お店の入り口付近にある手洗い場でぬるくなった水を流し、新たにお冷やを入れて戻ってきた。
ちゃんと氷を入れて。
「ほら」
「ありがと」
「でも、氷食べるならほどほどにしとけよ」
「うん、分かってるよ」
それを受け取り、お冷を飲みつつ氷をガリガリと食べる。
私は大の氷好きで、学生の時はかなり食べていた。
家の冷蔵庫の製氷機能がフル活動していて家族が呆れるぐらい。
だけど、氷を食べすぎるのはあまり身体によくないと海斗から教えてもらい、それからは控えるようになった。
ジュースに入っている氷を食べる程度におさえた。
家で氷を食べなくなった私を見て両親は驚いていた。
やっぱり、自分の身体は大事にしなきゃね。
話が反れたけど、海斗は周りへの気配りがすごい。
癪だからあまり褒めたくはないけど。
言わなくてもいつも先回りして、アレコレやってくれる。
痒いところに手が届くって感じで、よく私のことも見てる気がするんだよね。
幼なじみというだけあって、一緒にいるとしっくりくるというか、落ち着ける。
今まで、数々の失態とか見られているので変に恰好つけたり気取らなくていい。
ウサギ柄のパンツも見られてるしね!(この件はかなり根に持ってたりして)