【短】勇者の腕枕で アルマゲドン回避
「…彼氏んちで寝てる」
カズミチは眉間に皺を寄せ、首を亀みたいに突き出した。
呆れた!というふうに。
それから、ばこん!と机のふちを、メガフォンで叩いた。
「あのなあ〜男女交際もいいけど、」
「いや、今日別れたんで!」
何言わすのこいつ。頭きた。
「…そっか」
気の毒そうな顔。ムカつく。
「ま、なら、これからは学業に専念しろよ。
休んだ分は補習で補えばいいし。
秋には文化祭もあるからさ」
全く興味のない、ブンカサイとやらをやたら快活に発音するカズミチ。
ワケわかんない。
もっと気分転換をしようよ。
「…ね、カズミチ」
「こら。鈴木先生って呼べよ」
「質問していい?」
「ああ、いいよ」
こくん、と頷くカズミチ。
「あたしのこと、バージンだと思う?」
「バ……」
みるみるうちにカズミチは、真っ赤になっちゃった。
「ね、どう?」
「か、彼氏の家でなんとかって、言ってたから…多分、違うんだろうなあ!」
ばこん、ばこん、
メガフォンを自分の腿に打ち付ける音が…強い。
痛そう。めっちゃ、動揺してる。
「じゃ、次はクイズね!」