seasons.(シーズンズ)【完】
「お姉ちゃん!どっちが多く乗り物乗れるか勝負しましょう」

「何それ。ガキの発想ねぇ」

「ガキって……お姉ちゃんとあたしふたつしか違わないくせに」

「その少しの差が大きいの。ま、受けてやらないこともないけどね。負けたらアイス奢りでどう?」

「臨むところよ!」


よく喧嘩もしたけど、頼り甲斐がって私とたくさん遊んでくれる憧れだったお姉ちゃん。

そしてあたし。

その日は四人で幸せなひとときを過ごしたわ。

メリーゴウランドで記念撮影したり、コーヒーカップで調子に乗りすぎたり、ジェットコースターやお化け屋敷では絶叫したり、結局お姉ちゃんにアイスを奢ったり。

いっぱい笑い合って、今日の出来事は一生忘れられない思い出になるだろうなぁって思ったわ。

まさかこれが別の意味で一生忘れられない出来事になるなんてこと、考えられるはずがなかったの。
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