seasons.(シーズンズ)【完】
*
次に目を覚ました時、あたしは自我を失いそうになった。
「……ぅ、そ」
対向車線を走っていた中型トラックのドライバーの不注意で、あたし達の車と衝突事故を起こしたらしい。
お父さんとお母さんは即死、同じ後部座席に座っていたお姉ちゃんも散々苦しんだ挙句亡き人となった。
比べてあたしはというと、軽い打撲が数箇所だけ。
まるでみんなが私を守ってくれたかのような奇跡だった。
「おと……さん?」
歪んだ体を真っ青に染め横たわるみんなを前にして、
「おかあさぁん、お姉ちゃぁんっ……!」
あたしはこれは悪夢だと自分に言い聞かせることで精一杯だった。
「いやぁ、死なないで!お願いだからあたしを置いてかないでよぉっ!」
だけど神様は意地悪で、これは夢でもなんでもなく現実のものだって気付いた時、あたしはもう以前のあたしじゃなくなっていたわ。
次に目を覚ました時、あたしは自我を失いそうになった。
「……ぅ、そ」
対向車線を走っていた中型トラックのドライバーの不注意で、あたし達の車と衝突事故を起こしたらしい。
お父さんとお母さんは即死、同じ後部座席に座っていたお姉ちゃんも散々苦しんだ挙句亡き人となった。
比べてあたしはというと、軽い打撲が数箇所だけ。
まるでみんなが私を守ってくれたかのような奇跡だった。
「おと……さん?」
歪んだ体を真っ青に染め横たわるみんなを前にして、
「おかあさぁん、お姉ちゃぁんっ……!」
あたしはこれは悪夢だと自分に言い聞かせることで精一杯だった。
「いやぁ、死なないで!お願いだからあたしを置いてかないでよぉっ!」
だけど神様は意地悪で、これは夢でもなんでもなく現実のものだって気付いた時、あたしはもう以前のあたしじゃなくなっていたわ。