seasons.(シーズンズ)【完】
*
ある昼下がり、授業中にも関わらずあたしは当たり前のように屋上で風に当たっていた。
近くに植物があるおかげか、不思議とこの場所は落ち着けたから。
最近他人の幸せが全て自分の不幸のように見えてきて、頻繁に過度な被害妄想をしてしまう。
更に事故直後の感情がぶり返してきているせいか、軽い鬱症状が出始めていたのかもしれない。
ふと、フェンスの先に目がいったの。
そして疑問が浮かんだ。
なんであたしはあの時死ねなかったのかしら?って。
覚束無い足取りで前へ進んでフェンスに手をかける。
景色を一望すると、普段は大きく見える建物が小さく見えて、その間を行き来する人の存在がいかにちっぽけか身に沁みた。
そう……あんな一瞬のことであたしの大切な人達はこの世から消えていってしまった。
人は弱い生き物だわ。
今の自分だってこんなにボロボロの精神をやっとのことで保ってるもの。
でも悪足掻きはもうやめる。
こんなに辛い思いをするくらいなら――、
「みんな、待っててね」
あたしも死んでやろうって、本気でそう思ったの。
ある昼下がり、授業中にも関わらずあたしは当たり前のように屋上で風に当たっていた。
近くに植物があるおかげか、不思議とこの場所は落ち着けたから。
最近他人の幸せが全て自分の不幸のように見えてきて、頻繁に過度な被害妄想をしてしまう。
更に事故直後の感情がぶり返してきているせいか、軽い鬱症状が出始めていたのかもしれない。
ふと、フェンスの先に目がいったの。
そして疑問が浮かんだ。
なんであたしはあの時死ねなかったのかしら?って。
覚束無い足取りで前へ進んでフェンスに手をかける。
景色を一望すると、普段は大きく見える建物が小さく見えて、その間を行き来する人の存在がいかにちっぽけか身に沁みた。
そう……あんな一瞬のことであたしの大切な人達はこの世から消えていってしまった。
人は弱い生き物だわ。
今の自分だってこんなにボロボロの精神をやっとのことで保ってるもの。
でも悪足掻きはもうやめる。
こんなに辛い思いをするくらいなら――、
「みんな、待っててね」
あたしも死んでやろうって、本気でそう思ったの。