seasons.(シーズンズ)【完】

はじまりはじまり

*秋人side


「見てコレ~。体育だけ5で、あとほとんど2なんですケドー。おかげで夏休み補習決定さー」


時は流れて夏本場。

一学期の終業式を終えた一同は、通知表片手に夏休みの計画話を進めていた。


「シゲ、お前笑ってる場合かよ」

「笑っていればなんとかなる!ノー!ネガティブ!イエス!ポジティブ!」

「後でどうなっても知らねーぞ。ちっとは進藤を見習え」

「あははマジね。アッキはオレと真逆で体育以外オール5だもんなぁ」


シゲが通知表で自分を扇ぎながら笑う。

恥ずかしながら僕は体育だけギリギリ3ですけど。


「部活も引退したし今年の夏休みは何しよーかねー?」

「お前補習の件はどうなったんだよ」

「うげえ!シゲフミに100のダメージ!」


長谷川の鋭い突っ込みに傷付く金沢に、少し同情したくなりますね。

なんて僕が励ましても皮肉だと反感を買いそうなので、あえて黙っておきますが。


「お~い男組、こっち来てくれないかな~」


苦笑いを浮かべていると木村さんが手招きしてきた。

隣には米澤さんがちょこんと上品そうに控えている。

芳賀さんは先生に呼ばれているので不在だ。
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