seasons.(シーズンズ)【完】
*
「三位ねぇ……ちょっと納得いかないけどこんなもんかしら」
全てのエントリー者が歌い終え結果発表。
残念ながら夏枝ちゃんは優勝できなかった。
私達のもとに戻ってきた夏枝ちゃんは、口元をヘの字にしている。
「仕方ないって。年齢層考えると優勝したおっさんの歌の方がウケいいしさっ」
私の中では夏枝ちゃんの歌が一番だったけど、金沢くんの言葉も一理あるのかな。
「で、でも私はすごい感動したよ!」
「ありがと冬香。来年はデュエットってのも有りかもねー」
「誰と誰が?」
「あたしと冬香が」
そそそ、それはちょっと……。
「ところでよ、三位の景品ってなんだったんだ?」
長谷川くんの疑問に一同頷く。
夏枝ちゃんも未確認だったらしく、手に持っている紙封筒を一瞥するなり矢継ぎ早に開け始めた。
「……図書券?」
中から出てきたのは紛れもなく図書券四枚。二千円分。
夏枝ちゃんは「どうしてよりによって図書券なのよ」と訴えてくるように、口をアヒルの如く尖らせていた。
「三位ねぇ……ちょっと納得いかないけどこんなもんかしら」
全てのエントリー者が歌い終え結果発表。
残念ながら夏枝ちゃんは優勝できなかった。
私達のもとに戻ってきた夏枝ちゃんは、口元をヘの字にしている。
「仕方ないって。年齢層考えると優勝したおっさんの歌の方がウケいいしさっ」
私の中では夏枝ちゃんの歌が一番だったけど、金沢くんの言葉も一理あるのかな。
「で、でも私はすごい感動したよ!」
「ありがと冬香。来年はデュエットってのも有りかもねー」
「誰と誰が?」
「あたしと冬香が」
そそそ、それはちょっと……。
「ところでよ、三位の景品ってなんだったんだ?」
長谷川くんの疑問に一同頷く。
夏枝ちゃんも未確認だったらしく、手に持っている紙封筒を一瞥するなり矢継ぎ早に開け始めた。
「……図書券?」
中から出てきたのは紛れもなく図書券四枚。二千円分。
夏枝ちゃんは「どうしてよりによって図書券なのよ」と訴えてくるように、口をアヒルの如く尖らせていた。