seasons.(シーズンズ)【完】
*冬香side
「こんにちは冬香」
あっくんだ。
塾の講習が行われる教室に入り、適当な席についた私に声をかけてきた彼の顔を見ることなく、素っ気なく返事をする。
「な、なに?」
「今日も別々に座るんですか?」
「……うん」
「……そうですか。その方が集中できるかもしれませんしね」
違うよ。このままじゃ全然集中できない。
本当は講習の席を口実にずっと隣にいたいくらいなのに。
けどね、私変なの。
こんな気持ちになるの初めてだから、どうすればいいか分からなくて……。
でも一つだけハッキリしていることがあってね、それは私とあっくんがこれ以上仲良くなってはいけないということ。
私は先日のお祭りでの出来事以来、あっくんの顔を直視できなくなっていた。
おかげで当たり前のように隣同士だった講習も、今は離れた席で受けている。
まともに目を合わせることもできないくらい、あなたに惹かれそうな自分に嫌気がさしているの。
だけどこれは夏枝ちゃんのことを分かっててあんなことした自分に、ケジメを付けるためでもある。
言ってしまえば罰なんだ。
「こんにちは冬香」
あっくんだ。
塾の講習が行われる教室に入り、適当な席についた私に声をかけてきた彼の顔を見ることなく、素っ気なく返事をする。
「な、なに?」
「今日も別々に座るんですか?」
「……うん」
「……そうですか。その方が集中できるかもしれませんしね」
違うよ。このままじゃ全然集中できない。
本当は講習の席を口実にずっと隣にいたいくらいなのに。
けどね、私変なの。
こんな気持ちになるの初めてだから、どうすればいいか分からなくて……。
でも一つだけハッキリしていることがあってね、それは私とあっくんがこれ以上仲良くなってはいけないということ。
私は先日のお祭りでの出来事以来、あっくんの顔を直視できなくなっていた。
おかげで当たり前のように隣同士だった講習も、今は離れた席で受けている。
まともに目を合わせることもできないくらい、あなたに惹かれそうな自分に嫌気がさしているの。
だけどこれは夏枝ちゃんのことを分かっててあんなことした自分に、ケジメを付けるためでもある。
言ってしまえば罰なんだ。