seasons.(シーズンズ)【完】
「……ごめんね」

「いえ」


こちらに背を向けて自分の席に戻っていくあっくんに、心の声で呼びかける。

本当にごめんねあっくん。

お願いだから勘違いしないで。

私はあっくんのこと嫌いになったわけじゃないからね。

ふと携帯に目をやると受信メール有りの文字が。

慌てて開いてみると、加奈ちゃんから遊びのお誘いだった。

今日私の講習が終わったあと、夏枝ちゃんも入れて三人で駅前のアイス専門店に行かないかという話。

もちろん二つ返事で即答しておいた。

やっぱり友達との予定があると頑張れちゃうものだよね。

あっくんとの気まずさはこの楽しみで乗り切ろう。
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