seasons.(シーズンズ)【完】
「はいはいそこの少年少女!何をしてるのかしらーッ!?」

「夏枝ちゃん!?」


冬香と不良達の間に割って入る。

そこでやっと男子の腕から手を離す冬香は、驚いて目を丸くしていた。


「おい、こいつ芳賀じゃねーか」

「そういうアンタらは東雲不良組じゃないの!」

「俺コイツ嫌いなんだけど」

「ウゼーもんな」

「なんですってぇ!?」



失礼極まりないことを言ってきた不良の一人に噛み付きそうになったけど、加奈の「夏枝落ち着いて!」の一声でなんとか抑える。


「おっかねー。凶暴女じゃん?」

「東雲中のメスゴリラ担当だからな」


ムッキー!

ここまで言われっぱなしで堪忍袋の緒がプッチンいかない方がどうかしてるわよ!

と言いたいのは山々だけど、ここは堪えるのよあたし。

こんな陳腐な売り言葉、割引セール対象でも絶対買いたくないからね。


「冬香、アンタ何してんのよ?」

「それは……」

「アンタ達冬香に何かしたんじゃないでしょうね?目的は何?リンチ?レイプ?気晴らしにフルボッコ?もしやカツアゲ?言っておくけどね、アンタらにあげる金なんて一銭も持ち合わせていないわよ!?冬香に手を出すゲス共はこの芳賀夏枝が地獄へ葬り去ってやるわ!」

「ほざいてんじゃねェよコラ。その女がいきなり涼人に突っ掛かってきたんだろうが!」

「……はい?」


こつん、と頭の上に星のカケラが落下してきた……気がした。
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