seasons.(シーズンズ)【完】
*
「おせェんだよクソが」
「すいません。これでも急いだつもりだったのですが」
「テメェが呼び出したんだろーが。ざけんな」
駆け足で約束の場所へ向かうと、鋭い目付きの涼人が派手派手しい服装で立っていた。
涼人のことですから夏休み中は遊び三昧で、おまけの取り巻きがいると予想はしてたのですが。
意外や意外、お一人ですか。
「早速ですが交渉に参りました」
「あァ?」
「率直にお訊ねします。昨日ほなみ似の女の子に会いましたね?」
「……あぁ」
そこはあくまで素直に、隠す気はないらしい。
「彼女には極力関わらないでいただけますか?」
「最初から関わる気なんてねェよ」
「ありがとうございます」
「けどよ、じゃあテメェはなんなんだよ。あの女と仲良くしてるんじゃねェのか?」
「クラスメイトですから」
「テメェこそあいつとほなみを重ねてるんじゃねェのかよ」
正直、涼人の言葉が胸に刺さった。
脈拍が上昇して嫌な汗が体中から噴出してくる感じは、図星をつかれた感覚に似ている。
僕は何も言い返さなかった。
いや、何も言い返せなかったのだ。
「おせェんだよクソが」
「すいません。これでも急いだつもりだったのですが」
「テメェが呼び出したんだろーが。ざけんな」
駆け足で約束の場所へ向かうと、鋭い目付きの涼人が派手派手しい服装で立っていた。
涼人のことですから夏休み中は遊び三昧で、おまけの取り巻きがいると予想はしてたのですが。
意外や意外、お一人ですか。
「早速ですが交渉に参りました」
「あァ?」
「率直にお訊ねします。昨日ほなみ似の女の子に会いましたね?」
「……あぁ」
そこはあくまで素直に、隠す気はないらしい。
「彼女には極力関わらないでいただけますか?」
「最初から関わる気なんてねェよ」
「ありがとうございます」
「けどよ、じゃあテメェはなんなんだよ。あの女と仲良くしてるんじゃねェのか?」
「クラスメイトですから」
「テメェこそあいつとほなみを重ねてるんじゃねェのかよ」
正直、涼人の言葉が胸に刺さった。
脈拍が上昇して嫌な汗が体中から噴出してくる感じは、図星をつかれた感覚に似ている。
僕は何も言い返さなかった。
いや、何も言い返せなかったのだ。