seasons.(シーズンズ)【完】
「なァ、覚えてるか?……って忘れるはずもねェか」


涼人は笑い混じりに言った。


「テメェが犯した罪を俺は許さねェ。ほなみを殺したのはテメェなんだよ!」


違う。そう言いたかった。

でも言えないのはきっとそれが事実だから。


「おーい涼人、用済んだかぁ?」

「つーかガリガリ君いるのなんでよー?」

「ガリガリ君?」

「ガリ勉だから」

「ぎゃは、ウケるんですけど」


押されっぱなしで二の足を踏めず、ただ立ち尽くす僕の前に現れたのは涼人の仲間。

東雲中の不良組と呼ばれている集団だ。

なんだ、やっぱり遊んでる最中に抜け出してきてたんですね。


「おい聞いてんのかよ」

「分かってます」

「ア?」

「涼人がほなみのことを好きだったのは分かってます。でも僕だってほなみが死んで悲しいですよ」

「だったら……ンであんなことしたんだよ」


絞り出したような声。

だんだん涼人の面持ちが険しくなっていく。

比例して僕はやるせない気持ちになっていった。
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