seasons.(シーズンズ)【完】
不良相手に怖気付くことなく説教をする姿は、僕がこれまで見てきた大人しくて内気な冬香とはまるで別人だった。
「だからあっくんをいじめる人は私が許しません!」
一同は唖然としている。
涼人に至ってはわなわなと震えて、珍しく逃げ腰になっているようにも見えた。
「……んでだよ……」
「涼人、どうした?」
「なんで……ほなみは……ッ」
「おい涼人!?」
頭を抱えその場にしゃがみ込む涼人。
取り巻きは涼人の異変に動揺している。
「てめっ、今度ぜってーシメるからな!」
「涼人立てるか?行くぞ」
涼人はダルそうに立ち上がり、仲間に肩を借りながら覚束ない足取りで去っていった。
なんとか事態が悪化するのは防げたと思うのも束の間、災難は続く。
今度は周囲のギャラリーの視線が痛いことに気付かされた。
白い目でこちらを見ながらひそひそと話している。
「冬香、とりあえず移動しましょう!」
冬香の格好をどうにかするにもここに長居は無用だと察し、僕は彼女の手を引いてひと気のないところに避難することにした。
「だからあっくんをいじめる人は私が許しません!」
一同は唖然としている。
涼人に至ってはわなわなと震えて、珍しく逃げ腰になっているようにも見えた。
「……んでだよ……」
「涼人、どうした?」
「なんで……ほなみは……ッ」
「おい涼人!?」
頭を抱えその場にしゃがみ込む涼人。
取り巻きは涼人の異変に動揺している。
「てめっ、今度ぜってーシメるからな!」
「涼人立てるか?行くぞ」
涼人はダルそうに立ち上がり、仲間に肩を借りながら覚束ない足取りで去っていった。
なんとか事態が悪化するのは防げたと思うのも束の間、災難は続く。
今度は周囲のギャラリーの視線が痛いことに気付かされた。
白い目でこちらを見ながらひそひそと話している。
「冬香、とりあえず移動しましょう!」
冬香の格好をどうにかするにもここに長居は無用だと察し、僕は彼女の手を引いてひと気のないところに避難することにした。